カウンセリング・トレーニング初級講座(全12回)

さまざまなカウンセリングや心理療法の技法の効果を最大化するためには,練習をするのはもちろんのこと,実は,わたしたちのベイシックなコミュニケーション・スキルを磨くことが大切になってきます。しかしながら,模擬カウンセリングの授業で「どのように傾聴したらわからない」という学生の声をよく聞きます。それは,カウンセリングの授業で,繰り返してみたり,要約したりしても,学生も「本当にこれで聞けているのか?」という違和感があり,実際に,「通用しないんじゃないか」という不安があるからです。これは,心理士からになってからでも抱える問題かもしれません。その聴けていない違和感は正しい場合がほとんどです。

 

授業のフィードバックでは,その都度,「ここが良くなかった」と先生方から指導を受けるのですが,ある一定の法則やメソッドを修得しない限り,すぐに上達しません。もちろん,初心者にとってみれば,失敗を繰り返して,試行錯誤して,うまくいかないことこそが上達の秘訣ともいえますが,初心者の傷つきがのちに上達を妨げることにもなりえます。ある一定の法則やメソッドを早い段階で教えてもらえれば(もちろん,魔法のようなメソッドではないことをお伝えしておきますが),多少は楽に「話の流れに乗り,深めること」ができるようになります。この講座では,感情に焦点を当てられるようになるので,クライアントが涙を流すことが増えます。

 

また,ビジネスの営業においても,「傾聴」は大事です。なぜか営業成績は高い人はしっかりとお客さんの深い部分にあるニーズや気持ちを聞けています。テキストや教科書,セミナーや授業で言われたことを見よう見真似でうまくできてしまう人がいる一方で,うまくできない人もいます。たまに,「センス」という言葉で片づけられてしまいます。

 

「クライアントがなぜか来なくなってしまう」のはどうしてでしょうか?もはや,カウンセリングや心理療法を実施する以前の問題ということになりそうです。やはりここでも,ベイシックなコミュニケーション・スキルが重要になってきそうです。

 

また,「契約が決まらない」のはどうしてでしょうか?サービスや商品の良さはもちろんではありますが,お客さんがあなたと契約したいと思えないのはどうしてでしょうか?どのように,お客さんが自らあなたと契約を結びたいと思えるでしょうか?

 

そこで,初級講座では,「自然と感情に焦点を当てながら聴くことができること」を目指します。これができるようになると,クライアントやお客さんからは大きな信頼を得ることができます。しかしながら,感情といっても,さまざまな心理学の理論のうえに成り立っています。また,クライアントやお客さんの感情を「推測する」のは,あなた自身の性格や生い立ちなど,あなたの目(認知)やフィルターを通して感じられるものであり,ゆがめられている可能性さえあります。

 

そこで,初級講座の2つ目のテーマは,クライアントの感情や気持ちを同じように感じるためには,正しい「自己認識・自己理解・自己内省」が重要になってきます。特に,あなたの共感性に関連するだろうと思われる「パーソナリティのタイプ」「社会脳(ソーシャル・ブレイン)のタイプ」「愛着スタイルのタイプ」をはじめ,その他の共感性に関わる理論や尺度等で,自己理解を深めていきます。

 

ドロップアウトが多いのではと不安を感じている対人援助職者,スキル・アップをしたいと思っているコーチや経営者に対して,初級講座・全12回を開催することになりました。

 

全12回の初級講座では,前半には,「自己理解」,後半には,「感情を捉える」を大きなテーマとし,理論,アセスメントを解説し,ロールプレイやエクササイズを通して,共感に関するカウンセリング技法の向上を目指していきます。

 

 

次のコースは、2025年2月~4月の金曜19時~21時(4期)の受講者を募集しております。

  

★2025年2月期(4期)のコースの日程は?NEW!!

Week 1:    2/   7(金) 19:00~21:00

Week 2:    2/ 14() 19:00~21:00

Week 3:    2/ 21() 19:00~21:00

Week 4:    2/ 28() 19:00~21:00

Week 5:    3/   7() 19:00~21:00

Week 6:    3/ 14() 19:00~21:00

Week 7:    3/ 21() 19:00~21:00

Week 8:    3/ 28() 19:00~21:00

Week 9:    4/   4() 19:00~21:00

Week10:   4/ 11() 19:00~21:00

Week11:   4/ 18() 19:00~21:00

Week12:   4/ 25() 19:00~21:00

→講師の都合により日程が変更されることがございます。

 

★コースの申し込み方法は?

本ホームページ内の「お問い合わせ」から、件名に「2025年2月期カウンセリング・トレーニング初級講座参加希望」と明記し、お名前とメールアドレス、メッセージを添えて、お申し込みください。

 

 

★このコースの目的は?

このコースを受講することで,「人の気持ちに寄り添う」ことが自然とできるようになります。ただし,上で説明したように,正しい自己理解に基づかないとわたしたちは容易に「思い込み」をしてしまいます。そのため,正しい自己理解をし,相手の感情に焦点を当てた傾聴ができるようになります。副次的な効果としては,①カウンセリングや心理療法などのスキルアップにつながる,②傾聴のスキルアップにより営業成績の向上につながる,などを目指したいと思います。

 

★このコースの参加条件とは?

特に,心理士,トレーニング中の初学者に限定しません。広く,カウンセリングやコーチングなど,人との関わりを職業とし,「傾聴」や「カウンセリング」のスキル向上を計りたい方を対象とします。心理士,看護師,精神科医をはじめとする対人援助職者,ならびにコーチ,人事担当者,経営者などにお勧めです。また,このコースは体験的な学習が必要になってきます。そのため,ロールプレイやホームワークを進んで主体的に取り組んでいただける方を対象とします。

  

★プログラムの内容は?

Week 1:自己理解の重要性,ジョハリの窓,マイクロカウンセリング技法,自己開示とフィードバックの重要性など

Week 2:パーソナリティのタイプをしろう,パーソナリティの自己診断チェックリスト,フロイトとエリクソンの発達課題など

Week 3:愛着のタイプをしろう,愛着スタイルの自己診断チェックリスト,愛着理論など

Week 4:社会脳のタイプをしろう,社会脳の自己診断チェックリスト,社会脳に関する解説

Week 5:発達障害,ASD, ADHDに関して,自己診断チェックリスト,発達障害に関する解説

Week 6:自分の強みをしろう,強みの自己診断チェックリスト,他者評価のホームワーク,共感性など

Week 7:各種感情の発達に関する理論,正規分布,感情語のリスト化,感情のチェックリスト

Week 8:非言語情報の読み取り,ペンフィールドのホムンクルス,

Week 9:ダイアログシートでのロールプレイ①,共感の練習①

Week10:ダイアログシートでのロールプレイ②,共感の練習②

Week11:感情に焦点を当てた面接ビデオの視聴,実践演習①

Week12:まとめ,実践演習②

 

★コースの進め方は?

毎回120分のクラスで、チェックインを兼ねた宿題の振り返り、各テーマについてのレクチャーと対話、エクササイズの実践、次週までの宿題の共有という流れで行っています。クラスの中では、参加者同士のエクササイズの実践や対話などを実施しながら、お互いに傾聴スキルの向上を目指していきます。基本は、全12回の参加が必須となりますが、記録用としてセッション最中の様子を録画しておりますので、もし、欠席されても事後の学習は可能です。

 

★コースの参加の仕方は?

Zoom(https://zoom.us/jp-jp/meetings.html)を使用します。会議IDは、参加者に別途、お知らせいたします。

 

★コースの参加費用は?

4万4千円

 

★研修担当者の主要な書籍・論文一覧

『カウンセリングのすべてがわかる―カウンセラーが答える本当の心理学―』(2010年、技術評論社)

 

これは,研修担当者が編著として執筆したものになります。さまざまなカウンリングの理論や技法をはじめ,実際の心理的な問題に対して,現場のカウンセラーの先生方がどのように対応しているのかQ&A形式でわかりやすくまとめたものになります。

 

「実際に,カウンセリングって効果があるの?」などの一般から寄せられた質問に対して,カウンセラーがわかりやすく見開き2ページで実際の研究やエビデンスに基づいて,解説しております。

 

故・國分康孝先生は日本にカウンセリングというものをはじめて紹介された心理学者であり,初代の日本カウンセリング学会の会長でもあります。研修担当者のはじめての上司でした。