コンパッション・フォーカスト・セラピーのクリス・アイロン博士をお招きし、2021年1月9日(土)、10日(日)、11日(月・祝)にオンライン・ワークショップを実施しました。
このワークショップは、欧米ではベストセラーとなっている「The Compassionate Mind Workbook」 (訳本)の出版を記念して行われました。
クリス・アイロン博士(Chris Irons, Ph.D.)は、英国の臨床心理学者であり、ロンドンにあるNational Health Serviceを経て、Balanced Mindを開業して働いています。
彼が博士課程の院生の時に、コンパッション・フォーカスト・セラピーの創始者であるポール・ギルバート博士に早い段階で師事し、コンパッション・フォーカスト・セラピーの発展に寄与したブレーンです。
クリス・アイロン博士は、臨床実践で、うつ病、PTSD、OCD、社会不安、双極性感情障害、摂食障害、統合失調症など様々なメンタルヘルスや感情制御の問題を抱えた人を対象に、コンパッション・フォーカスト・セラピーを用いています。
臨床実践で出逢うクライアントは、うまく感情を調整することの課題を抱えており、コンパッショネイト・マインド(慈悲のこころ)を育むことにより、それらの感情の問題に取り組んでいきます。
ボーダーライン(境界性)・パーソナリティ障害を抱えた人への心理治療として、これまでに様々な優れたアプローチがありますが、このアプローチを学ぶだけでも、セラピストの逆転移の問題を減じたり、クライアントの治療動機が高まったり、クライアントの治療関係が安定したり、などの効果がよく報告されます。
その効果の理由としては、コンパッション・フォーカスト・セラピーが脱病理モデルであることや、そうしたクライアントに対する慈悲に満ちた態度や哲学をセラピスト自身が獲得し、セラピスト自身が人としてセラピストとして成長することにあると考えられています。
ボーダーラインだけではなく、各種の不安障害(不安)、うつ病(落ち込み)、悲嘆反応(悲しみ)などの感情の暴発を取り上げ、そうした感情障害に対して「コンパッション」という視点を取り入れることでさらなる技術向上につながり、感情全般に対する取り扱いも上手になり、強力な武器になることを学びました。
また、コンパッション・フォーカスト・セラピーのエクササイズも体験しました。そのため、初学者でも、満足感の高いワークショップとなりました。
★講師 クリス・アイロン博士(Chris Irons, Ph.D.)
※ワークショップでは逐次通訳がつきました。
【講師紹介】
イギリスのロンドンにあるNational Health Serviceで働いている臨床心理学者である。コンパッショネイト・マインド・ファンデーションの理事の一人であり、コンパッション・フォーカスト・セラピーの認定トレイナー兼スーパーバイザーであり、CFTやより広く慈悲の科学に関して、学会、研修会、講演会で世界各国を飛び回っている。コンパッション・フォーカスト・セラピーの中心的存在であり、論文や書籍も多数ある。
★日時
2021年1月 9日(土) 14時~18時
10日(日) 14時~18時
11日(月祝)14時~18時
※当日、Zoomに接続できない場合でも、後日、録画ビデオは視聴できるようにいたしました。
★Zoomによる開催
Zoom(https://zoom.us/jp-jp/meetings.html)を使用しました。当日は、ブレイクアウトルーム、投票、チャットなどを使い、参加者が主体的に参加できる工夫をしました。
★参加人数
全国各地から、80名以上の方に参加していただきました。
★参加費
4万4千円
★ワークショップに関連した動画
●クリス・アイロン博士の2012年の動画です。
コンパッションの科学についてスマートに解説して頂いています。
※英語圏では早口ですが、当日はゆっくりとお話して頂きますので、ご安心ください。
CFTでは、このスージング・システムをうまく機能させることで、不快感情であるスレッド・(脅威)システムの暴走を鎮めます。
★参考書
●『ストレスに動じない”最強の心”が手に入るセルフ・コンパッション』
石村郁夫著(2019年、大和出版)
※上記の参考書がなくても、ワークショップにはご参加いただけます。
★主催
プラスワンラボ合同会社
★申込締切
2020年12月25日(金)17時まで
※配布資料を事前に郵送いたしました。
※ビデオをご視聴したい場合は、事務局にお問い合わせください。
★申込方法
お問い合わせフォームから、件名に『出版記念WS 感情障害へのコンパッション・フォーカスト・セラピーWSビデオ視聴希望』と明記し、お名前とメールアドレス、メッセージを添えて、お申し込みください。
★シェア・拡散して頂ければ幸いです
コンパッション・フォーカスト・セラピーは新しいアプローチでありますが、まだまだ発展中です。皆さんのシェア・拡散により、治療者やクライアントともに知られるきっかけになればと思います。