コンパッション・フォーカスト・セラピーの創始者であり,英国行動・認知療法学会の元会長であるポール・ギルバート博士をお招きし,2022年1月21日(金)、28日(金)、2月4日(金)の17時から21時にオンライン・ワークショップを実施することになりました。
2019年3月にポール・ギルバート博士が来日した際には,全国各地から約200名の参加者がございまして,満足度の高いワークショップとなりました。
参加者の皆様から,「再度,企画してほしい」「前回の内容から学びを深めたい」という数々の要望がございました。また,数年間は予定が埋まっている中で,ポール・ギルバート博士のご厚意もございまして,平日(金曜)の夜ではございますが,ワークショップを実施することになりました。
ポール・ギルバート博士(Paul Gilbert, Pd.D., OBE)は、コンパッション・フォーカスト・セラピーの創始者であり,ダービー大学で臨床心理学の教授をしています。また,国民へのメンタルヘルスの改善に寄与したことが讃えられ,2011年に大英帝国勲章を受章している臨床心理学者です。
境界性パーソナリティ障害のクライアントを対象に,認知的再構成法に取り組んでいた時に,せっかく彼女が出した代替思考が「厳しい口調で」語りかけていることに気づいたことが,コンパッション・フォーカスト・セラピーが誕生するきっかけとなりました。
優しく,落ち着いた,温かみのある声のトーンで,代替思考を読み上げたときに,認知的再構成法の効果を最大化できることを発見しました。コンパッション・フォーカスト・セラピーは,恥や自己批判の高いクライアントや,慢性症状に悩まされているクライアントに有効な心理療法です。
英国を中心に徐々にコンパッション・フォーカスト・セラピーが広まり,うつ病、PTSD、OCD、社会不安、双極性感情障害、摂食障害、統合失調症,LBGTs,虐待,アディクションなど様々なメンタルヘルスや感情制御の問題に,実証的研究が行われ,有効性が示されるようになりました。
臨床実践で出逢うクライアントは、セラピストから思いやりや温かさを向けられると,「なんだか居心地が悪くなってしまう」「過去,人から裏切られた嫌な記憶が思い出されてしまう」「本当のダメな自分が知られて怖くなってしまう」などの「コンパッションの恐れ(fear of compassion)」の問題を抱えている場合があります。
今回は,はじめての心理士でもお気軽に参加できるように,2019年3月に実施されたワークショップの簡単なレビューと,特に,「コンパッションの恐れ」を抱えたクライアントの対応方法に関しても,詳しく解説していただきます。
境界性パーソナリティ障害や愛着障害を抱えた人への心理治療として、これまでに様々な優れたアプローチがありますが、このアプローチを学ぶだけでも、セラピストの逆転移の問題を減じたり、クライアントの治療動機が高まったり、クライアントの治療関係が安定したり、などの効果がよく報告されます。
その効果の理由としては、コンパッション・フォーカスト・セラピーが脱病理モデルであることや、そうしたクライアントに対する慈悲に満ちた態度や哲学をセラピスト自身が獲得し、セラピスト自身が人としてセラピストとして成長することにあると考えられています。
ボーダーラインだけではなく、各種の不安障害(不安)、うつ病(落ち込み)、悲嘆反応(悲しみ)などの感情の暴発を取り上げ、そうした感情障害に対して「コンパッション」という視点を取り入れることでさらなる技術向上につながり、感情全般に対する取り扱いも上手になり、強力な武器になることでしょう。
また、コンパッション・フォーカスト・セラピーのエクササイズも体験することができます。そのため、初学者でも、深く理解できる機会となることでしょう。
★講師 ポール・ギルバート博士(Paul Gilbert, Ph.D.)
※ワークショップでは逐次通訳がつきますのでご安心ください。
【講師紹介】
イギリスのダービー大学の教授・臨床心理学者であり,英国行動・認知療法の元学会長である。臨床実践からコンパッション・フォーカスト・セラピーを開発し,これまでにイギリス国民のメンタルヘルスの改善に大きく寄与した功績が讃えられ,2011年に大英帝国勲章(OBE)を受賞している。これまでに300本以上の論文と章を執筆しており,22冊の著作がある。
★日時
2022年1月21日(金) 17時~21時
28日(金) 17時~21時
2月 4日(金) 17時~21時
※当日、Zoomに接続できない場合でも、後日、録画ビデオはご視聴できます。
★Zoomによる開催
Zoom(https://zoom.us/jp-jp/meetings.html)を使用します。会議IDやパスワードは、参加者に別途、お知らせいたします。
★参加人数
最少催行人数は50名を予定しています。
※できる限り多くの方にご参加いただきたいので皆さんのまわりにも本ワークショップについてお声かけください。
★ワークショップに関連した動画
●ポール・ギルバート博士の2017年の動画です。
コンパッションを臨床実践にいかに応用するかを解説しています。
※英語圏では早口ですが、当日はゆっくりとお話して頂きますので、ご安心ください。
CFTでは、このスージング・システムをうまく機能させることで、不快感情であるスレッド・(脅威)システムの暴走を鎮めます。
★参考書
●『コンパッション・マインド・ワークブックーあるがままの自分になるためのガイド』
石村郁夫・山藤奈穂子訳(2021年、金剛出版)
●『ストレスに動じない”最強の心”が手に入るセルフ・コンパッション』
石村郁夫著(2019年、大和出版)
※上記の参考書がなくても、ワークショップにはご参加いただけます。
★参加費
5万5千円
★申込締切
2022年1月 10日(月)17時まで
※配布資料を事前に郵送いたします。お早めにお申し込みください。
※ビデオをご視聴したい場合は、事務局にお問い合わせください。
★主催
プラスワンラボ合同会社
★シェア・拡散して頂ければ幸いです
コンパッション・フォーカスト・セラピーは新しいアプローチでありますが、まだまだ発展中です。皆さんのシェア・拡散により、治療者やクライアントともに知られるきっかけになればと思います。
開催される予定であるジェームス・カービー博士による『コンパッション・フォーカスト・セラピー入門』、ミカエル・トーマス博士の『カップルのためのコンパッション・フォーカスト・セラピー』(未定)を計画しております。
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これまでに開催したワークショップの概要については、こちらからお入りください。