ラッセル・コルツ博士の来日が決まりました!

イースタン・ワシントン大学の臨床心理学の教授であるラッセル・コルツ博士が来日して、怒りの問題を劇的に改善するコンパッション・フォーカスト・セラピーのワークショップを開催して頂くことになりました。

 

ラッセル・コルツ博士は、凶悪犯罪者の怒りの問題に長らく従事していらっしゃる中で、懲役200年を超える受刑者の怒りを改善するために、「コンパッション」という視点が大事であると気づいたそうです。

 

怒りは他人によって理不尽にテリトリーを侵害される際に生じる感情です。この感情は、自分のテリトリーを守ったり、周りの人を守ったりするために生じるものです。

 

しかし、同時に、怒りは、とても強力であるために、その人に大きな力が与えられるように錯覚させます。その怒りの感情を持つことで、自分の正当性や正義を主張し、あたかも、自分が正しいかのような感覚が得られるのです。

 

また、怒りは、まわりから人を遠ざけます。これは、常にイライラしている人には近寄りたくありませんよね。怒っている人に近づきたくなくなるのは、不当に傷つけられる可能性があるからです。

 

そのため、怒ると、徐々にまわりの人が気を遣うようになり、まわりと距離感が生まれるようになります。そうすると、声が掛けられにくくなり、よりいっそう孤独感や寂しさを感じるようになってしまうのです。

 

「怒りは自分に力を与えて、自分や他者を守るもの」ではあるけど、それが持続してしまうと逆に「繋がりや関係性を断ち切ってしまうもの」に変貌してしまいます。

 

ラッセル・コルツ博士は、怒りの問題を抱えた受刑者が、適切に怒りを表現するためにはまさにコンパッションが大事であると説いています。相手との繋がりや関係性を力によって支配し、断ち切るのではなく、受刑者のコンパッションを育むことで、真の強さ(True Strength)が備わってくるといいます。

 

真の強さ(True Strength)とは、受刑者が幼少期・青年期に散々見せられた暴力による支配ではなく、本当に強い人は力による支配をするのではなく、その怒りを相手のことに尊敬の念や思いやりを持って適切に自己主張する人です。

 

怒りの問題は、矯正教育だけではなく、児童福祉、学校教育、アルコール・薬物依存、DV等にみられるように非常に多岐にわたるテーマです。従来のアンガーマネージメントでも改善がみられず、苦慮されている先生方もいらっしゃることでしょう。

 

コンパッション・フォーカスト・セラピーは他のセラピーと競合することはございませんので、従来のアプローチにコンパッションの良さを取り入れることが可能です。怒りの問題だけではなく、コンパッション・フォーカスト・セラピーをさらに学びたいセラピストにとっては良い機会になっております。ぜひ、興味がありましたら、ワークショップを受講していただけると嬉しいです。

 

今後も皆様に満足いただけるように研修会を企画して参りますので、ご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。